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8年に渡って、ドン・ジマーはブッダのような姿勢でジョー・トーレに並び、ヤンキースのダグアウトに腰掛けている。試合が優勢であれ劣勢であれ、ジマーとトーレは悠然と腰を落ち着け、公園のベンチに座る旧友同士のように語り合っている。とはいえ彼らの会話内容は、とてもお気楽とは言えないものだ。 かつてメジャーリーグで監督を務めたジマーは、現在ヤンキースのベンチコーチだ。それはつまり、トーレにとって最も信頼のおけるアドバイザーであり、共同戦略立案者であり、文字どおりトーレの右腕であるということだ。彼らは力を合わせて、敵側ダグアウトの同業者たちを出し抜こうとする 各チームが投手コーチや打撃コーチを雇うのは、選手を助けるためだ。ベンチコーチが存在するのは、もっぱら監督を助け、監督の負担を減らし、監督の相談役となり、試合展開に応じて作戦を進言するためだ。 「監督によっては」とオリオールズのサム・パーロッゾ・ベンチコーチは語る。「必ずしもベンチコーチを隣りに座らせようとはしない。私は監督からあまり離れないようにしている。いつ何があるか分からないからね」 すべての監督がベンチコーチを従えているわけではない。メッツの前監督ボビー・バレンタインは、2000年と2001年、ベンチコーチなしで指揮をとった。しかし、トーレのようなベテラン監督でさえも、ジマーのような戦略家の知恵を借りることを好むものであり、たいていの新人監督は経験豊富な人物をベンチコーチとして起用し、選手の起用法からメディアへの対処法まで、あらゆる事柄に関して助言を求める。 今シーズン、例外的なのはデトロイトで、新人監督アラン・トラメルは、経験の乏しいカーク・ギブソンをベンチコーチに起用した。他の4人の新人監督のうち3人は、メジャーリーグ監督経験者を選んだ 監督とベンチコーチとの間で最も重要なのは、信頼だ。ドジャースのジム・トレーシー監督は、エクスポズのフェリペ・アルー監督のもとで4年間、そしてロサンジェルスのデイビー・ジョンソン監督のもとで2年間、それぞれベンチコーチを務めた。どちらの場合も、監督から信頼を得るには時間が必要だった、とトレーシーは言う。アルーに至っては、初めのうち、ラインナップ・カードでさえ書かせてくれなかったそうだ。 「ベンチコーチを信頼できるようになって初めて、いろいろな責任を委ねられるようになる」とトレーシーは言う。 そうした責任委譲は、特に試合開始前に必要となる。監督はメディアのお相手をしなければならないし、選手たちと個別に話し合う必要もある。ラインナップ・カードを書く程度の日常的な仕事は、コーチ陣に任せたほうが良い。しかし、たいていの場合、ベンチコーチの仕事とは、ただ手を貸す程度では済まされない。 パーロッゾは内野の守備位置を指示し、相手が走者1,3塁で盗塁を試みた場合、捕手がどこに投げるべきかもサインで伝えておく。アート・ハウのベンチコーチだったモッカは、打順についても助言し、A’sの守備態勢を決め、すべての打球の方向を記録し、試合が進行する間にも相手打者の詳細なチャートを更新していた。トレーシーはアルーとジョンソンのもとで春季キャンプの予定を組み、組織指導力に秀でたコーチに与えられる役割を果たしていた。 「われわれの仕事は、監督次第だ」とパーロッゾ。「アドバイスを求めてくれるような、良い監督のもとでやっていれば、これは楽しい仕事だ。ラインナップ・カードを書いたり、試合中にそれを書き換えるような仕事しかさせてもらえないなら、私としては楽しくないだろうね」 問題は、適正なバランスをとるということだ。ベンチコーチの多くは、監督になりたいと熱望している。あるいは、次のチャンスを探している元監督でもある。監督とベンチコーチの関係が良好であるためには、ベンチコーチが指揮命令系統の中での自分の地位を認識し、直属の上司である監督に敬意を抱いていなければならない。 「常に心に留めておいたのは ほとんどの監督が、試合中にアイデアや作戦をベンチコーチに求めるが、中には並以上に助言を歓迎する監督もいる。メルビンの2度の経験は、まったく異なっている。ミルウォーキーとデトロイトではベテラン監督フィル・ガーナーのもとで、もう一度はアリゾナの新人監督ボブ・ブレンリーのもとで。 ガーナーはほとんど助力を求めなかった。ブレンリーのほうが開けっぴろげに助言を求めた。ブレンリーとメルビンが打ち出した作戦は、しばしば型破りなものだったが、それが2001年には見事に実を結び、ブレンリーは新人監督として史上4人目のワールドチャンピオンになった。 「聞かれなくても言うべきことは言ったし、ボブ(ブレンリー)がそれを受け入れてくれることは分かっていた ブレンリーがメルビンに求めたのは、常に1イニング先を考えることだった。試合が5回に入ると、相手が次はどの投手を起用するのか、こちらはどう反撃すべきか、毎度のように彼らは話し合った。あるいは、自軍の投手の対戦成績を調べ、誰をリリーフに送るべきかを検討した。監督の調子が悪いと、チーム全体の調子が悪く見えることを、ベンチコーチは知っている。監督が解任された場合、自分が後任の最有力候補だとしても、忠誠心が最優先なのだ。結局のところ、監督とベンチコーチは協力し合わねばならない。また、自分が何を進言しようと、最終的な責任は監督にあるということも、ベンチコーチは知っている。 「そこが違いなんだ
by late_bateman
| 2004-08-13 20:57
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