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「1,2年前の春季キャンプのときだったと思う」とテリー・マルホランド。「場所は覚えていない。その回の投球を終えてダグアウトに戻ろうとしていたら、観客の一人が身を乗り出して、『マルホランド? 死んだと思ってたよ』と言うんだ」 「帽子のつばで顔を隠して笑うしかなかった。いいこと言うな、と思って」 念のために言うと、マルホランドは死ぬどころか今もまだ投げている。それもマリナーズのロスターに残れるほどに。実現した場合、マリナーズでシーズンを過ごすのはこれが2度目になり シアトルには仲間がいる。現在シアトルのロスターのうち4人が40歳あるいは...まあ、なんというか「もっと大人」だ。マルホランドは今月初めに41歳になった。白いものが混じったやぎ髭や、頭を被う...まあ、 なんというか「銀髪」を見れば、それは誰にでも分かる。 マリナーズのクラブハウスの一方には、パット・ボーダーズがいる。彼は5月で41歳になる。彼の頭も黒髪とは言い難いものになりつつある。88年にトロントでキャリアを開始したボーダーズは、92年ワールドシリーズのMVPであり、今年もシアトルで野球を続けようと頑張っている。 マルホランドとボーダーズの他に40歳以上の選手が2人いるが、彼らはロスターのことなど心配する必要がない。昨年21勝を挙げたジェイミー・モイヤーと、打率294、打点98、そしてオールスター出場7回のエドガー・マルチネスだ。 チームにおける彼らの価値は明らかだ。モイヤーとマルチネスに頼る部分は多い。ボブ・メルビン監督は、意欲的に若手を指導するマルホランドを賞賛する。どこであれプレーしたいという野球馬鹿のボーダーズは、野球が出来るなら3Aタコマへの降格も喜んで受け入れる。 かつてなく暑い春のフェニックスで、マルホランドは自分が登板しない試合でも残っている。練習を終えた若いチームメートが、シャワーを浴びて帰宅しようとする一方で、マルホランドはスパイク姿でベンチに残っている。野球を語り、野球から離れずにいるために。 「ユニフォームを着させてくれるかぎり、引退する理由なんかない」とマルホランド。「野球が大好きだ。野球について自分が知っていることをみんなと分かち合いたい。新しいことを学ぶのも大好きだ」 タコマでプレーするほうが好きだとボーダーズも認めている。そこなら試合前に子供たちをフィールドで遊ばせられるし、大好きな野球をしながら給料をもらうことが出来る。野球に関わるものなら何でも好きだ 終戦から何年も太平洋の島に潜伏していた日本兵がいたが、自分も似たようなものかも知れない、とボーダーズは冗談を言う。 「ずっと昔に俺の戦争は終わってたのかもよ」 実際はと言えば、左の救援投手であるマルホランドの場合、シアトルで成功しなかったとしても、働き場所はいくらでも見つかるだろう。そしてボーダーズは、過去3年間マリナーズで出場したのは21試合、14打席に過ぎないが、必要な備えを怠らず、チームのためなら何でもしようという意欲を持つ、貴重な保険のような存在だ。 「20代の頃より気分がいいくらいだ」とボーダーズ。「プレーするのが楽しい。今でもリトルリーグの頃のような気持ちだ。雨で試合中止になったり、試合に出られなかったりすると、今でもイライラする 」 ビッグリーグのロスターに加わるべく、ボーダーズはベン・デイビス、ダン・ウィルソンと戦っている。マルホランドはブルペンの最後の一人を、恐らく同じく左腕の招待選手マイク・マイヤーズと争っている。 2人とも25人ロスターに加われない可能性もある。しかし、何年も野球をしてきた彼らが、これで辞めてしまうわけではない。 「まだプレー出来るのであれば、やらない理由があるかね?」とボーダーズ。 「どうやってキャリアを終えるか、自分には分からないし気にもしていない」とマルホランド。 マルホランドもボーダーズも、いささか年をとったことは確かだ。いささかガタが来てもいる。 しかし、死んだだって? いやいや。まだまだ。とんでもない。
by late_bateman
| 2004-10-18 21:57
| MLB
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