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毎朝5分間、そして毎夕5分間、バリー・ジトーは他のことを一切やめて、落ち着ける場所を見つけると、テープレコーダーに向かって話しかける。静かな、穏やかな声でそうしながら、自分が自分をコントロールしていること、求める答えは自分の内にあることを、彼は自らに思い起こさせる。そして一日中テープに耳を傾けては、自分が語る声を意識に染み込ませ、より自信を深め、気を和らげようとする。 これに限らず幾つもの精神修養をすることで、オークランド・アスレチックスのマウンドに立つときにも、車のイグニション・キーを挿すときにも、ジトーはさらにリラックス出来るようになる。昨季のALサイ・ヤング賞を獲得したジトーだが、本人としては、野球の話よりも、もっと他のことについて話をしたいと言う。「ギターやサーフィン、フィジー、なんでもいいんだけどね」 愛想が良く、思慮深い人間というのがジトー本来の姿であり、たまたま圧倒的なカーブを投げることが出来るため、メジャー屈指の左腕投手となったに過ぎない 「なんの趣味も持たず、人間的な生活もせず、人としての奥行きもなくて、知性もない。そういう典型的な野球選手たちと一緒にされたくはない」とジトーは語る。「僕が野球界で変人扱いされるということは、つまり僕のほうが正常ということなんだ。だって、普通の人と同じように、僕にはいろいろ趣味があるし、やりたいことも一杯あって、しかもそれはハンティングやゴルフじゃない。だからみんな僕のことでエキサイトして大騒ぎするのさ。普通の野球選手がやらないようなことばかりやってるから」 趣味もなく、人生もなく、奥行きもなく、知性もない。ジトーに言わせれば、それが典型的な野球選手なのだ。ハンティングやゴルフ? やめてくれ。ジトーがやりたいのはそんなことではなく、ロサンジェルスのクラブでギターを弾いたり、オークランド・バレーと一緒に踊ったり、60日間ぶっ続けでサーフィンをしたり、香りの蝋燭に囲まれて呼吸訓練をしたり、他の宗教を研究することだ。そうした行動のほうが、はるかにジトーの興味をそそるのだ。 「いかにもバリーらしい言葉だね、より奥深い人間であれってのは」。ジトーの元チームメート、ヤンキースのジェイスン・ジオンビは、メジャーリーガーに関するジトーの評価について、こう語る。「僕もその部類に入るんだろうね、僕がすることと言ったら野球だけだもんな」 先月、サイ・ヤング賞授賞式のためにニューヨーク野球記者協会のディナーに出席したジトーは、スピーチを始める前にひょいとカメラを取り出し、1400人のゲストたちの写真を撮った。そして人々にこう言った。僕のタキシードにはプリーツがない。なぜなら「プリーツはクールじゃないから」 サンディー・コーファックスが後に語ったところによると、彼は自分のタキシードのパンツにプリーツがあるかどうか、思わず目で確かめたそうだ。
by late_bateman
| 2004-09-22 23:48
| MLB
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