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by late_bateman カテゴリ
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シアトル・マリナーズにとって、グラウンドに立つマーク・マクレモアは、多彩な役割をこなす選手であり、円熟した名手だ。左翼手がご入用? はい、彼がいますよ。遊撃手か3塁手が必要? はい、彼の出番だ。ここで盗塁を決めたい? 彼を代走に送ろう。 グラウンドを離れると、チームメートのために彼はまた別の役割を演じる。グラウンドにいるときと同様に重宝される専門家なのだ。ポルシェ・ターボ3.6フラットノーズがご入用? 彼が調達してくれます。フェラーリ355ベルリネッタが欲しい? 彼に電話してみよう。ダッジ・ヴァイパーがお望み? 小切手のご用意をどうぞ。 イグゼクティブ・インポーツ(ダラス)のオーナーであるマクレモアは、誰にでも──クライアントの多くは野球選手だが──望みの車を手配してくれる。彼が売っているのは、彼が大好きな乗り物だ。そして彼自身、最高級車に乗っている。先日マクレモアは、ベースボール・ウィークリーとの対談で、車への愛着ぶりを語った。 車を商売にするようになったのは? 「かれこれ20年も車に夢中でね。よく聞かれたもんだよ、どこでその車を手に入れたのか、あの車が欲しいんだけど何とかならないかって。だからいつも、何もかも自分でやったと答えていた。いっそのことビジネスを始めたらどうかってワイフに言われてね、考えた末にやってみたんだ。とても順調だよ。やってて楽しいね。たいていの人は時間がなくて出来ないだろうけど、僕は楽しんでやってるし、簡単なことなんだよ」 最初に買った車は? 「19歳のときに、ちょっとばかりボーナスを注ぎ込んで、茶色の79年型280ZX(ダットサン)を買ったんだ。3年前の型だったな。ずっと前に手放してしまったけど、持っていれば良かったとつくづく思うよ。僕にとっては特別な車なんだ、なにしろ自分で買った最初の車だからね」 持っていない車で欲しいものは? 「欲しい車はみんな持ってるよ」 何台持ってるの? 「さあ...オフィスに電話して聞いてみないとね。ダラスに倉庫があるんだ。僕はコレクターじゃないんだよ。好きな車を持ってるだけさ。すごいコレクションの持ち主が何人かいるけどね──レジー(ジャクソン)は今でもコレクションを持ってるよ。僕なんかレジーにはとうてい及ばないよ」 お気に入りの車は? 「その日の気分によるね。お気に入りのスポーツカーは、パフォーマンスから言うとポルシェ911だね。ルックスではフェラーリ360スパイダー。高級車ならベントリーかな。SUVではジープ500メルセデスのワゴン。ピックアップ・トラックはキャディラックEXT。というわけで、時と場合、それと気分次第でお気に入りは違ってくるんだよ」 これまでに何台くらい買ったの? 「150から200台かな」 車と恋に落ちたのはいつ頃? 「これくらいの時に(彼は4フィートほどの高さに手を掲げる)、280ZXを見てね。実際は240Zだったんだと思う。そいつを見たときには、『ワオッ』だったね。CMでは見たことがあったんだけど、ある日、いきなり家の前を通ったんだよ。兄貴のケニーを捕まえて、こう叫んだ。『ケニー、見ろよ、Zだぜ』。僕たちは玄関に突っ走ってそいつを見た。2人ともあんぐりと口を開けて眺めていた。あの日以来、車に夢中なんだ」 バーバラ・ウォルターズ風に質問させてもらうよ。もし、あなたが車だとしたら、“ザ・マクレモア”はどんな車になるでしょう? 「ベントリーとポルシェとフェラーリを一緒にしたような車だろうね」 “ザ・(ジョン)オルルド”はどんな車? 「ジ・オルルドかよ(マクレモアは爆笑する)。ワオ。いやはや。そりゃSUVヴァンで決まりだね(さらに大笑いする)。のろいSUVヴァンだよ」 “ザ・イチロー”は? 「おいおい。僕はまだジ・オルルドのことを考えていたよ。OK。イチローねえ。インフィニティだろうな──確か彼はそれに乗ってたろう。彼にぴったりだね──洒落てるし、スマートだし、独自のスタイルを持っているし、しかも決して派手ではない」 さて、“ザ・(ルー)ピネラ”はどうだろう? 「まじかよ(またしても爆笑)。ザ・ルー・ピネラはキャディラックとハマーの組み合わせで決まりさ(また笑い出す)。なんでキャディラックかと言うと、あれはクラシックな高級車だからね。古めかしいんだ。最高に味のあるいい車だよ。で、なんでハマーかと言うと、彼は人を乗り越えて突進するからさ。グラウンドでは、彼は人なんか轢いて行っちゃうよ。いやほんとに。グラウンドを離れると、彼は穏やかな好人物だけどね。グラウンドにいるときは、気をつけたほうがいい」 飛ばすのに最高なハイウェイは? 「サンディエゴからフェニックスまでのハイウェイ8だね。真っ直ぐで平坦、しかも警察がない」 最悪のハイウェイは? 「思いどおりに飛ばせない道はどれもそうさ」 これまでで最高に飛ばしたのは? 「94年型ポルシェに乗っていたときだね。155マイルくらい出したよ」 なるほど、では速度制限はどう思う? 「必要なときは必要さ」 スピード違反のチケットを切られるのは赤い車が多いっていうのは本当? 「本当だ。間違いない。それもあって、僕は赤い車は一台しか買ったことがないんだ。86年型のイスズ・インパルスだ」 最高のカー・ムービーは? 「“Gone in 60 Seconds”だろうね。フェラーリが何台も出てくるし、アクションも凄かった」 (注)同名の映画は2本ある。74年の“バニシング in 60”と、ニコラス・ケージ主演によるリメイク“60セカンズ”。 カプリ夫人は何を運転してるの? 「乗りたい車はなんでも。僕の車をなんでも運転してるよ。いちばん乗ってるのはリンカーン・ナビゲーターかな」 お子さんたちに将来どんな車を運転させるか、考えたことはある? 「いちばん上のデマーカが21歳になったら、フェラーリに乗ってもいい。それまでは僕が決めるよ。あの子は10歳になったばかりなんだけど、もう車が欲しいって言ってるんだぜ。『OK、お父さん、今年は車をもらえなくても、2008年になればいいわけね』だってさ。あの子にどんな車を運転させるか、あと6年は考えていられるってわけだ。なんであれ、あの子はコンバーチブルを欲しがっている。髪を下ろして、風になびかせるわけさ」
「1,2年前の春季キャンプのときだったと思う」とテリー・マルホランド。「場所は覚えていない。その回の投球を終えてダグアウトに戻ろうとしていたら、観客の一人が身を乗り出して、『マルホランド? 死んだと思ってたよ』と言うんだ」 「帽子のつばで顔を隠して笑うしかなかった。いいこと言うな、と思って」 念のために言うと、マルホランドは死ぬどころか今もまだ投げている。それもマリナーズのロスターに残れるほどに。実現した場合、マリナーズでシーズンを過ごすのはこれが2度目になり シアトルには仲間がいる。現在シアトルのロスターのうち4人が40歳あるいは...まあ、なんというか「もっと大人」だ。マルホランドは今月初めに41歳になった。白いものが混じったやぎ髭や、頭を被う...まあ、 なんというか「銀髪」を見れば、それは誰にでも分かる。 マリナーズのクラブハウスの一方には、パット・ボーダーズがいる。彼は5月で41歳になる。彼の頭も黒髪とは言い難いものになりつつある。88年にトロントでキャリアを開始したボーダーズは、92年ワールドシリーズのMVPであり、今年もシアトルで野球を続けようと頑張っている。 マルホランドとボーダーズの他に40歳以上の選手が2人いるが、彼らはロスターのことなど心配する必要がない。昨年21勝を挙げたジェイミー・モイヤーと、打率294、打点98、そしてオールスター出場7回のエドガー・マルチネスだ。 チームにおける彼らの価値は明らかだ。モイヤーとマルチネスに頼る部分は多い。ボブ・メルビン監督は、意欲的に若手を指導するマルホランドを賞賛する。どこであれプレーしたいという野球馬鹿のボーダーズは、野球が出来るなら3Aタコマへの降格も喜んで受け入れる。 かつてなく暑い春のフェニックスで、マルホランドは自分が登板しない試合でも残っている。練習を終えた若いチームメートが、シャワーを浴びて帰宅しようとする一方で、マルホランドはスパイク姿でベンチに残っている。野球を語り、野球から離れずにいるために。 「ユニフォームを着させてくれるかぎり、引退する理由なんかない」とマルホランド。「野球が大好きだ。野球について自分が知っていることをみんなと分かち合いたい。新しいことを学ぶのも大好きだ」 タコマでプレーするほうが好きだとボーダーズも認めている。そこなら試合前に子供たちをフィールドで遊ばせられるし、大好きな野球をしながら給料をもらうことが出来る。野球に関わるものなら何でも好きだ 終戦から何年も太平洋の島に潜伏していた日本兵がいたが、自分も似たようなものかも知れない、とボーダーズは冗談を言う。 「ずっと昔に俺の戦争は終わってたのかもよ」 実際はと言えば、左の救援投手であるマルホランドの場合、シアトルで成功しなかったとしても、働き場所はいくらでも見つかるだろう。そしてボーダーズは、過去3年間マリナーズで出場したのは21試合、14打席に過ぎないが、必要な備えを怠らず、チームのためなら何でもしようという意欲を持つ、貴重な保険のような存在だ。 「20代の頃より気分がいいくらいだ」とボーダーズ。「プレーするのが楽しい。今でもリトルリーグの頃のような気持ちだ。雨で試合中止になったり、試合に出られなかったりすると、今でもイライラする 」 ビッグリーグのロスターに加わるべく、ボーダーズはベン・デイビス、ダン・ウィルソンと戦っている。マルホランドはブルペンの最後の一人を、恐らく同じく左腕の招待選手マイク・マイヤーズと争っている。 2人とも25人ロスターに加われない可能性もある。しかし、何年も野球をしてきた彼らが、これで辞めてしまうわけではない。 「まだプレー出来るのであれば、やらない理由があるかね?」とボーダーズ。 「どうやってキャリアを終えるか、自分には分からないし気にもしていない」とマルホランド。 マルホランドもボーダーズも、いささか年をとったことは確かだ。いささかガタが来てもいる。 しかし、死んだだって? いやいや。まだまだ。とんでもない。
チョコレートの箱に手を突っ込んだレネル・ブルックスムーンは、あっという間に4個を平らげた。 サンフランシスコ・ジャイアンツの場内放送を担当するアナウンサーである彼女は、信じられないほど繊細な胃袋の持ち主で、それまで今日一日、何も食べていなかったのだ。 火曜日の夜、ブルックスムーンは、ワールドシリーズでアナウンスを受け持つ初めての女性となった。 「すごいことだわ」 アナハイムとの第3戦を前に、彼女はそう語った。「おかげで最近ナーバスになってたの。大変な責任ですもの。同性のためにも、地元のファンのためにも、上手にやってのけたいわ」 「とても特別なことなのよ。最初の一人というものは、いつもより注目されるし、誰もが視線を注ぐものだから」 44歳になるブルックスムーンは、ベイエリアで育ち、ジャイアンツ戦でのアナウンスを務めるようになって3年目を終えたところだ。ジャイアンツこそ、彼女が生まれながらに応援してきたチームだ。球団がニューヨークからサンフランシスコに移転した58年、母親は彼女を身ごもっていた。 「バッターは...バリー・ボンズ!」 ブルックスムーンのワールドシリーズ・デビューは、何もかも順調に見えた。彼女にとって、ボンズやベニチオ・サンチアゴ、ショーン・ダンストンのような選手を目の当たりにするのは、ひときわ特別なことだった。何年も彼らを見てきた彼女は、彼らを「古い親友」と呼ぶのだった。 彼女のマイクロフォンの脇には、故ジョー・ブラックの小像が置かれている。彼はニグロリーグのボルティモア・エリート・ジャイアンツの投手で、後にジャイアンツの宿敵ブルックリン・ドジャースのスターになった。 「いつも彼と一緒じゃなきゃだめなのよ、自分の出自と、どうやってここまでたどり着いたかを忘れないためにね」とブルックスムーンは言う。黒人女性として放送席にいることを、彼女は誇りに感じている。 ジャイアンツを愛した母親、そしてオークランドやサンフランシスコの試合に連れて行ってくれた兄のおかげで、彼女は終生の野球ファンになった。それでも、共に育った野球というスポーツにこれほど近いところで自分が働くことになろうとは、彼女にも思いも寄らなかった。 「夢見るような気分よ」と彼女は言う。 ジャイアンツに雇われる前は、サンフランシスコ湾を越えたアスレチックスで、テレビの仕事に就いていた。A’sで働いた経験が、今の仕事を与えてくれたのだと彼女は言う。 「わたしが野球を知っているって、彼らはわかってくれたの」 どちらかのチームを贔屓することは? 「その質問には黙秘権を行使するわ」 火曜日の朝、ワールドシリーズでパイオニア的な役割を果たすことについて幾つものインタビューに答えた後、彼女は発声を保つために最後のお茶をひとすすりした。打ち合わせのために余裕を持ってパシフィック・ベル・パークに入り、黒いスーツと、それに合わせたオレンジのアイシャドーとネイルで身を飾った。 「自信はあります。素晴らしい男性たちがわたしを支えてくれるし...本当に特別なことなのよ、それなのにわたしがここにいるなんて。どうかしてるわ。まだどう受け止めていいかわからないし、当分わかりそうもありません」 少女たちの 「自分がこうして機会を作り、障壁を取り除いて、固定観念を打ち破ることが出来れば、と願っているの。一度に少しずつ、世界を変えていくのよ」
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